<前へ

揚水発電所というのは、次のような仕組みの発電所です。
高さの違うダムを水路で連結し、電力を多く必要とする昼間は上部ダムから発電所へ水を落下させて発電します。水は下部の調節地ダムにためて置きます。あまり電力を必要としない夜間になると、下部のダムに貯まった水を発電機の水車を逆回転することによって汲み上げ上部ダムに貯めます。
このように、水資源の有効活用が図れ、なおかつエネルギーの使用平準化を図れる方法なのです。

パンフレットより 水路断面図
図 揚水発電所説明
(揚水式水力発電プロジェクト〜神流川発電所〜東京電力パンフレットより)


さて、以上のように落差(ここでは653m)を一気に流れ落ちる水が通る管は、非常な圧力を受けます。そのため、ここの管路はトンネルの中に鋼管を敷設しており、国内で最初の超高張力鋼(HT-100)を採用しているそうです。最大1,000/に耐えられるとパンフレットにあります。

斜坑発電所の次は、1430、この水圧管路見学です。
この斜坑は全断面TBM(トンネルボーリングマシン。直径6.6m、総延長50m、重量660t)という機械で、下から上に向かって掘削されました。全断面工法は日本初ということです。


勾配はなんと48度です。見学したときはもうTBMは貫通して上部で整備中とのことで見えませんでした。48度というのは、のぞけば垂直のような感じがします。
機械自体は筆者もなじみの深いシールド機械のようなものですが、こうした急勾配はまず都市部ではありません。人的、物的落下防止に非常に気を使われたと思います。掘進していく反力は、写真のようなものを下部に順次組立て、それで重量と掘進反力を受けるということでした。

部品

 

余談ですが、この斜坑工事は筆者の以前勤務していた会社が参加しているJVの施工で、所長さんは良く知っている方でした。ありがとうございました。
なお、もう一本のトンネルについては、東電が現在の経済状況を詳細に検討してから着工するのかどうか結論を出すそうで、非常に気をもんでいました。
1500、トンネルを出ていよいよ下部ダム見学です。1510ダムサイトの「お立ち台」に到着、説明を受けます。
もうほとんど完成しているダムが目の前に立ちはだかっています。眼下にはコンクリート製造プラントなどが立ち並んでいます。

クリックでフルサイズ(133KB)をご覧になれます
(クリックでフルサイズ表示)


ダムのコア展示採石山はここからは見えないようです。
RCD(ローラー・コンパクテッド・ダムコンクリート)工法で施工されたダムのコアが展示してありました。
この工法は、セメントやフライアッシュの使用量の少ないダムコンクリート(私達が日常目にする、まだ固まらないコンクリートと比べると、非常に硬く、水分が少ない)を、ブルドーザや振動ローラーなどの大型機械で施工する工法です。コンクリート配合は1.0あたり100kg(セメント+フライアッシュ)だそうです。これは国内最小だと、これもパンフレットに書いてあります。
このダムの湛水開始は平成157月に迫っているそうです。


以上で駆け足の見学会は終了です。
しかし、ここまで来たならぜひ寄っていくところがあるとの案内の方の言葉で、
1600上野村「慰霊の園」に立ち寄りました。ここは、日航ジャンボ機墜落犠牲者のための場で、一同おまいりしてきました。残念ながら展示館は改装中で入れませんでしたが。

慰霊碑

こうして、秋の早い日暮れの中を車中で歓談しながら、出発した高崎駅まで戻り有意義な見学会を解散しました。東京電力の案内していただいた方々、技術士会幹事の方々、どうもありがとうございました。

 

身近な土木INDEXに戻る