宮ヶ瀬ダム見学記
ダムは今では悪者になったようですが、「身近な土木」の「身近なダム」へ行ってきましたのでそれを報告します。
この宮ヶ瀬ダム見学は、このダムが横浜や川崎などの市街地から約40kmの大都市近郊に位置しているため、日帰りの見学研修として(社)日本技術士会建設部会により企画されました。
当日はあいにく、今にも雨になりそうな曇り空で、また数日前に台風の大雨があったりしたので、いつもはきれいな水が濁っています。残念。
まず、ダムの概要です。
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位 置 : 左岸 |
神奈川県津久井郡津久井町青山地先 神奈川県愛甲郡愛川町半原地先 |
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右岸 |
神奈川県愛甲郡清川村宮ヶ瀬地先 神奈川県愛甲郡愛川町半原地先 |
| 型 式 | 重力式コンクリートダム |
| 堤 高 | 156m |
| 堤 頂 長 | 約 400m |
| 堤 体 積 | 約 2,000,000m3 |
| 非 越 流 部 標 高 | EL.290.0m |
| 総 貯 水 容 量 | 193,000,000m3 |
| 集 水 面 積 | 213.9km2 |
このダムは、神奈川県のほぼ中央を流れる一級河川相模川の支流のひとつ、中津川に建設された大規模な重力式コンクリートダムです。
その目的は、「洪水調節」、「流水の正常な機能の維持」(ダム下流の河川の水量等を調節・管理)、「水道用水の供給」(1日最大1,300,000m3)、「発電」(最大出力24,200kwおよび1,200kw)の3つです。
コンクリートダムといえば、土木技術者にとってはRCD工法が思い浮かびますが、このダムも同工法を縦横に駆使して建設されたそうです。
また、ダムといえば、建設に伴っての水没地区の事が心配されますが、ここでも多くの方が移転を余儀なくされ、水没地の面積は44.9km2で、移転戸数は281戸におよんだと言うことです。
現在、ダム周辺の観光地としての整備などのために(財)宮ヶ瀬ダム周辺振興財団が設立されています。冬の巨大クリスマスツリーは、とくに人気があり、多くの人々が訪れるそうです。
また、毎週水曜日と毎月第2日曜日には観光放流が行われているとのことでした。(見学される方、予定を確認してください。中止の場合もあります)
まず、ダムに向かう途中から。ダム湖です。この日はほぼ満水状態でした。水が濁っています。
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ダムの全体像です。
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これだけのコンクリートの偉容は、その目的がいかに重要であろうとも自然の中の異物と感じる人がいてもおかしくはないと思います。
しかし、私などは、都会の超高層ビルの方により違和感を持ち、こうした土木構造物は、もう自然の一点景の様な気がしています。
下左の写真は、一見ケーブルカーの様に見えますが、これはインクラインといって、資材を運搬する施設です。
今は、観光用にダムの頂部と底部を連絡するのに使用していますが、実際に使用したものを移設したのだそうです。
このほかにエレベーターもあります。
下右の写真は、土木技術者ならおなじみ「基準点」です。
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銘板が写真では見にくいので再現します。
【建設時の基準点
宮ヶ瀬ダム建設時にはダムの型枠、監査廊、エレベータ、放流管等の施設を設置する場所を常に確認する必要があります。このため、ダムの施工面が見渡せる右岸天端、左岸天端及び減勢工にそれぞれ一点設置しました。通常の工事においても基準点を木杭等で設置していますが、宮ヶ瀬ダムでは長期間となるため、コンクリート製の基準点を設置しました。この基準点は、ダムコンクリート打設面、ダム左岸及び減勢工が見渡せる、ここ、右岸天端に設置されました。】
今回の見学で貴重だったことは、ダム管理事務所のご厚意で、通常は見ることのできないいろいろな内部の施設を見学できたことです。
| まるでありの巣のようにダム堤体内にのびている監査廊です。 | ゲートの巻き上げ機の説明を聞いています。 |
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| いくつもあるゲートのひとつです。 |
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最も興味を引いたのは、下の写真の施設です。これは、ダムの堤体を貫く穴の中にピアノ線(?)を下げて、堤体の移動量を観測しているのだそうです。
貯水量の多寡(水圧)や地震などで、コンクリート2,000,000m3の堤体がひずむ様子は、ちょっと想像つきません。
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最後に、技術的な「身近な土木」にはふさわしくないかもしれませんが、ダム周辺の土産物屋さんの軒先を紹介します。

なんと、イノシシが2頭いました。